でもまあこれが春人だし。
うん。
やっぱり春人はこうじゃなかったら春人じゃない。
あたしが中2の頃、保健室で出会った時から。
ちょうど先生が電話か何かで居なくて、一番奥のベッドで吐きそうになってた中1の春人を見つけた時から。
ものすごい熱で、あたしは自分が怪我したから保健室に来たってことをすっかり忘れて夢中で看病した、その時から。
春人があたしに『ありがとう』って見せてくれた笑顔は、今でも変わってない。
そう、今、あたしに向けられてる笑顔と、まったく同じ。
無邪気で花みたいな、笑顔。
「……キョウちゃん先輩、なんで笑ってるんですか?」
「笑ってねぇよ」
「笑ってました!」
「春人は変わってないなって思ってただけで別に笑ってねぇよ」
「俺変わってないですか!?」
「うん、とっても」
「背高くなったし最近大人っぽくなったねって言われるんですけど変わってませんか!?」
「いやそこじゃねぇよ。(っていうかどの辺が大人っぽくなったのか詳しく)」
「じゃあどこですか名前ですか!」
「あんたバカじゃないの。心の底から。」
「性格とかそういう中身の話」とあたしが説明すると、「あ、そういうことですか!」っとかってやっと納得してくれた。


