あとアレだよね。
春人とアンドロイドクンが違う呼び名であたしを呼んでくれた方が違いがわかっていいしね。
……あ、そーいえば。
「あのさ、アンドロイドクンの方って名前ねーの」
どちらに問いかけるでもなく言ったのに、顔を上げてくれたのは春人本人だけだった。
わかってたけどね、うん、わかってた。
「名前ですか？」
「うん、名前。だってどっちも春人だったら呼びにくいし」
「あ、そっか」
「ないの？」
「ある」
短い答えを口にしたのは、春人ではなくアンドロイドクンの方。
だから顔をそっちに向けると、珍しくアンドロイドクンはあたしの方を見てた。
こっち見るならその冷たい目をどうにかしろよって感じだけどそれ言ったら話が逸れるのでもういいです。
「あるんだ」
「うん」
「なんていうの？」
「ノア」
うわ厨二くせぇ。なんでもないです。
