春の旋律




先生が好きなその曲は、とても難しかった。


左手が上手く動いてくれない。


でも、心が折れそうになる度、
先生の顔を思い浮かべて、あきらめずに頑張った。


先生……会いたいよ。


先生も、私に会いたいって、思ってくれてる………?


私のことなんて、忘れちゃった?


私、頑張るから…。


私のこと、忘れないで……。


早く聞かせてあげたいよ………。