春の旋律




そんなこんなで先生のレッスンを受け始めて1週間が経った。


先生への返事はまだ出来ていない。


新学期が始まるまで、まだ日にちはあるから…。


そんな風に自分を甘やかしていたら、春休み終了まであと2日になってしまった。


「のああああ〜」


「…畑中さん」


「ぬああああ〜あ〜」


「…畑中さん?」


柏木先生が肩にポンと手を置いてきて、私はびっくりして飛び上がった。


「うわあお」


「大丈夫ですか畑中さん。
いかほど奇声を発せば気が済むんですか」


「あわわ…すみません」


私は恐る恐る先生に質問した。


「…あの…その……。レッスン、いつまでなんですか……?」


「あ……、そうですね、もうすぐ新学期入りますし、明日で終わりにしましょうか」


「あ、明日………?」


「はい。」


先生はニコッと笑った。


明日で最後………。


明日のレッスンが終わったら、もう今までみたいに、毎日会えないんだ……。


その日1日、私はなかなかレッスンに集中出来なかった。