春の旋律




「全然困ってません!…そりゃいきなりだったんで、どう返せばいいか分からなかったですけど、困ってはないです!……むしろ…」


「むしろ?」


「う……嬉しい…です。こんな風に、好き…って言われたの、初めてだから………」


恥ずかし過ぎて、顔が上げられない。………私の顔、絶対真っ赤になってる。


先生の反応が全く無い。


「………?」


そっと、下を向いたまま、上目遣いで先生を盗み見る。


すると先生は耳まで真っ赤に染めて口を抑え、私を見つめていた。


「せ、先生…………?」


私は先生の様子が可愛くて、クスクス笑ってしまった。


「顔、赤い………」


「ちょっ、笑わないで下さいよ…」


「だって、可愛いですもん」


「男の人に可愛いなんて言うもんじゃありません」


先生は私の頭を撫でながら、優しく話し出した。


「急に好きなんて言って、ごめん。びっくりしましたよね。」


「心臓飛び出るかと思いました」


「でも、本気なんです…。すぐに返事しろなんて言いませんけど。」


「はい………」