可愛いって得じゃない!?

「お前…あの快晴ってやつが気にならないのか?」

「はぁ…」

「そういや晴美、お前とおんなじ親なしじゃねぇ~か!お前をほっとけなかったんだな…あの夫婦、快晴と重なったんだろうな…ところで、今度快晴と話してみな。ここの客はあわよくば快晴と一夜なんて輩で一杯だ。」

男はぐいっと酒を飲んだ。

「無口な男で顔は女みてーだし何より目だ」

「目?」

「あいつの目が俺は好きなんだ」

「へぇ…」

「へぇ…ってお前見なかったのが?さっき降りてきた時」

男は信じられないとばかりに目を見開き私を見た

「見た」

「っかー!だーから晴美は駄目なんだよ!!快晴はモテるから普段は下に下りてこない」

私は椅子から立ち上がってランさんのところに行こうとした

「快晴と話しろ」

「わかったって。じゃあね」

「晴美!!ちょっと!!」

ランさんが大声で私を呼んだ

駆け出した私はあの男の言葉を思い出す

『女みたいな顔で…』

『目が…』

『お前と同じじゃねーか!!…』

『めったに下に降りて来ない…』

確かに…、名前と存在は知っていた。見たのは今日が初めて。ランさんたちに大事にされているんだと思ってた。

目…ちゃんとみれば良かった

晴美が少し快晴に興味が湧いた時だった

「晴美ちゃん…いい子なのは分かるけど、うちは客商売、ね?わかるわよね?笑って?」

「すみません」

ランさんが悲しげにため息をついた

胸が痛い、お世話になっているのに。仕事の内容を理解した上で笑顔なんて難しい。

「そうだ、これ、快晴に渡しに行っておくれ。蔵にいるから。」

「…するめ…ですね」

「おいしいんだから。つまみ食いしないでしっかり渡しとくれ」

そう言ってランさんはお客さんたちの相手にまた戻った。

とりあえず、アルミハク…かな?私はキッチンをあさりはじめた