神様がいるなら聞いてみたい

心は何故あるのですか?





「晴美!!」

広い草原、ここは「ネオ」と言う町。緑溢れる豊かな土地。私は今、町を見下ろせる丘の上にいる。春の爽やかな風に吹かれながら。

そこに息を切らせた快晴がやってきた

「晴美、お前結婚すんのか!!」

「…うん」

「えっ!!本当に!?」

「うん!!」

しばらく快晴に顔をみせないで会話していたが、いきなり晴美は笑顔で思いっ切り快晴の方に振り返った

快晴は心が痛んだ

晴美の笑顔が痛い、その笑顔は俺のものじゃなかったのかよ…

快晴がひとり歯を食いしばっていると晴美が言った

「快晴と!!」

「え」

「やだ快晴!!私を快晴以外と結婚させるつもり?」

晴美が首を傾けながら快晴に言った。それから上目遣いでこう言った

「そぅいえば…快晴からまだプロポーズ、されてなかったね」

「…」

「驟雨(しゅうう)が、お前に気持ち伝えたって…驟雨なんて言ってたんだ?」

「快晴は言ってくれないの?」

「そんなのみてたらわかるだろ!!」

恥ずかしくて言えないよ

「そっか」

晴美の残念そうな顔を俺は多分忘れないだろう

「『結婚、しよう』って快晴なんかやめちゃえよって」

笑顔で晴美が言った

「嘘だろ」

「嘘だよ」

急に笑顔が消えた晴美は怖ろしく恐い

沈黙を風が切る

「驟雨が快晴になに言ったかわかんないけど、私は快晴が好きだから」

照れて笑いながら言う晴美はきれいだ。頭の隅でそんなことを思いながら俺は晴美に近づいた

「焦った」

ギュッと晴美を俺は抱きしめた。

晴美が静かに微笑んだ気がした