………‥
…‥





"コンコン"

「失礼しまーす。」


「おう。まぁそこ座れ。」



そう言われて

教室の端っこにある
汚い椅子に仕方なく座る。









物理準備室


殆ど横山先生しか入らない部屋。










横山先生が私をジッと見たまま動かない。





「…あの…?」


「…金子ぉ…」



"ガッ"


え!?あれ!?

なんか、おかしくない!?



壁に押し付けられちゃったんだけど…

…どうしよう?









「…ハァ…金子、キスくらいしたこと、あるだろ?」


「へ?ないです。」


「じゃあ、俺が初めてだな…ククッ」



……はい???







そう思った瞬間



"バリーッ"




私のブラウスのボタンが
いくつか飛んでくのか見えた。




「ぃやっ…!!!」









"カシャッ"



カメラに似せた機械音が教室に響いた。




「だーめなんだぁ」





横山先生の顔がどんどん青白くなって行くのが分かった。







「…おま「証拠もあるし、校長先生に言っちゃう??あ、先に警察か」





横山先生の言葉を遮って
落ち着いた声の男の子が言った。



「…やっ、やめろっ」

「無理です。行こうっ!」


私の手を引っ張って

彼は屋上まで走った。


足が震えてうまく走れなかった。