「…………はぁ。」
お弁当箱を掴んでため息。
だって、廊下にいたってことは
今日は屋上に行かなかったってことじゃない
トボトボ帰っていると
まだ王子は先輩達と話してた。
「あぁ~あ。私だって王子と話したいよぅ。」
……!!?
誰かが私の心の声をそのまま言った。
「…とか、思ってたりして。」
「……幸先輩。驚かさないで下さいよぉ。」
幸先輩は「いひひぃ」って笑いながら私のほっぺをぷにぷにした。
「もぅ。瑠衣チャンのうじ虫っ!」
「う、うじ虫!?」
「いつになったら屋上くんの?
いつになったらメールすんの?
優羽チャンに相談されちゃったんだけど?」
「…優羽?」
「元気が日に日に無くなってるって心配してたぞっ!」
今度は軽くデコピンされた。
「いてっ」
「後ね、今日は風がキツいから屋上はやめといたの。」
「…へ?」
「そしたら、あいつらに絡まれちゃっただけだからね?」
そうなんだ…。
いつも一緒って訳じゃないんだ
「そ。いつも一緒って訳じゃないよ。」
「へ?」
「ホント、全部顔に出ちゃうんだからっ かわいー!」
幸先輩は私の頭をポンポンして
「まったねー」
って王子の方に行ってしまった。