「あ、おはよ」
「・・・おはよぉ」


昇降口でたまたま会った朔は、
昨日と同じ笑顔で私に挨拶する。


私は元気に返すことができなかった。



理由は簡単だ。
昨日の今日で疲れたからだ。


当たり前でしょ。
女子に睨まれた上に、先生の顔が怖い。

明日の行く末を考えると怖くて眠れない。


朔はそんな私の腕を引っ張り、さっさと教室に向かう。



何にも聞かない。

多分朔は私がいつもと違うことに気付いている。

でも、聞いてこないのは、
彼女なりに気を遣ってるのだと思う。

短い間しかまだ友達として付き合ってないけど、
私たちはすごい信頼関係だと思う。


彼女は無理やり聞いて、心に土足で踏み入れて、

偽善の良心を振りまくことなんてしない。