さて、と。
こうしちゃいられない。
お風呂の用意と、お部屋の掃除と……
可愛いパジャマと“勝負下着”も用意しないとね。
私は、バタバタと諸々の準備に取りかかった。
――ねぇ、郁ちゃん?
私は、郁ちゃんが思っているような“女の子”じゃないんだよ?
郁ちゃんの気持ち、とっくに気づいてるのに知らないフリをして。
曖昧に誤魔化してる。
言わせないように、してる。
郁ちゃんを傷つけるのも、
自分が傷つくのも、
どっちも嫌だから。
ひなたはズルイ女です。
そして、全然“ピュア”なんかじゃないよ?
だって、もう、
全部、知ってるんだから。
腕の中に抱かれる心地よさも、
肌が触れ合う幸せも、
熱で満たされる感覚も。
何も知らない“コドモ”じゃないの。
だから、早く目を覚まして?
現実を知って、私に幻滅して?
そして、嫌いになって?
そしたら、私たちも、
何の気兼ねもなく、恋ができるから……

