「いただきまーす」
みんな揃って食卓を囲む。
料理より何より、俺が一番気になるのは、向かいに座る大好きな女の子。
目が合えば、にこっと微笑んでくれるし、さりげなく料理を取り分けてくれるし……
母さんには申し訳ないけど、料理の味なんて気にしている場合じゃない。
「これ、私も作るの手伝ったんだよ!どんどん食べてね?」
キラキラの笑顔を向けられたら、言葉なんて出てこない。
今すぐにでも抱きしめたくなってしまう。
それくらい、彼女は可愛いんだ。
小柄で色白で…
大きな瞳に、マスカラいらずの長い睫毛。
思わずキスしたくなるような小さくて紅い唇。
ゆるく巻かれた栗色の髪は、胸のあたりまである。
ふわふわで甘い“綿菓子”みたいな女の子。
外見に違わず、中身もそのまんま。
弱くて儚くて、ものすごくピュアで…
汚れなんて知らない、まさに“天使”!
それが、ひなただ。

