部活を終えて、疲れて帰宅してみれば……


「芯っ!ついに、ついに完成したのよ!!」


玄関を開けるなり、興奮気味に飛びついてくる人物。


「私ってば、やっぱり天才だったんだわ。」


赤いフレームの眼鏡に、真っ白な白衣。

手には、何やら液体の入った…試験管??

明らかに怪しい。


「“天才科学者”と言われたおじいちゃんの血を、しっかり受け継いでいたのね…」


両手を握り合わせて、キラキラした瞳で「おじいちゃんありがとう!」なんて言いながら天を仰いでいる…って、じいちゃんは、まだ健在だからっ。


「これで、世の中の迷える人たちを救えるわっ!」


思わず漏れるため息。

その横をすり抜けて、俺は家の中へと足を進めた。

……ものの、


「ちょっと!最後まで聞きなさいよ!」


追いかけてくる声に仕方なく振り返る。


「……姉ちゃんさぁ、今度は一体、何を作ったわけ?」