神様からの贈物

「フッ、まぁいいや。渚はね、夕凪が親を失った時くらいからずっと夕凪の主治医をしててね。夕凪がここに来たいって言ったから、渚もそのままついて来たのよ。多分……渚にとっては夕凪は妹みたいなもんなんだよ。まぁ夕凪がどう思ってるのかは知らないけどさ。」

「ま、そういうことだからわかったね?あとはまぁ、渚に認めてもらうには、とりあえず夕凪を喜ばせるしかないね。夕凪の前の病院の看護婦にたまたま私の知り合いがいて……そのコから聞いた話だと、渚は夕凪にあと少ししかない人生を極力幸せなものにしてあげたいって思ってるみたいだから。」

「うーん……俺渚先生とはまだあんまりしゃべったことないんだけど……どう思われるのかな……」


「そういえば渚はあんたのこと知ってたみたいだね。」

「そりゃあまぁ一応今夏休みだし、ちょくちょく病院に顔だしてたから……」

「私の見たところはまぁせいぜい……夕凪に悪い虫がきた……ぐらいにしか思われてないだろうから……大丈夫だよ。」

「…………そっか……っておい。姉ちゃんそれ一番ダメなやつだろ。」

「クスクス……大丈夫だって。ようはあんたがまず夕凪の喜ぶようなことをすりゃ、渚もあんたを追い立てることはしないさ。」

「うーん……」

「ま、頑張りな。」

「ちぇっ。かなわねーな」

「じゃあな、姉ちゃん。また来るよ。」

「夕凪が言ってたんだからちゃんと毎日こいよー、クスクス」

「クソっ、姉ちゃん盗み聞きしてやがったな。」

姉ちゃんとそんな話をした後、空はもうずいぶん暗くなってきたので、僕は病院を後にすることにした。