神様からの贈物




「あの………」

「なによ!?」

「………そこフツー走るとこだよね?」

「…………私、走れないの。ほっといて。」

「ゴメン。夕凪。……でも昨日屋上走って帰ってたじゃん」

「うるさいなー。あれは……ついうっかり走っちゃったのよ。本当は走ったらダメなの。ってゆうかほっといてよ。」

「ホントにゴメン。別に悪気があって言ったんじゃないんだ……その……つい……」

「ついって何よ。私帰るから。」

夕凪はそのまま自分の病室まで帰ってった。

そして僕もそのままついて行った。

夕凪は途中でぶつぶつ文句を言っていたが、僕を無理矢理追い返すことはせず、そのまま僕も夕凪の病室についていったのだ。

「へー。ここの病室だったんだ。ってかここ……一ヶ月ほど前に来たことあるよーな……ここの病室はこの病院で一番景色がいいからね。もちろん屋上を除けば…だけど。んー……でも夕凪に会ったのは……はじめてだよな……?」

「あぁそれなら、私はまだここの病院にきて、まだ二週間ぐらいだから。」
「前までは都会のもっとおっきい病院にいたんだ。でも、なんか治る見込みもなくなっちゃったらしくてね。それならどこにいても一緒だし、せっかくだから景色のキレイなもっとゆったりした町の病院にいきたいって考えて……病院うつしてもらったんだ。」

僕は夕凪がここに来た理由を聞きながら、病室のイスですっかりくつろいでいた。