神様からの贈物

「あれ?あれって遥だよね……おーい、ハールーカー……」


夕凪がたまたまそこを通りかかったのだ。

そして多分夕凪はなんとなく何か聞き覚えのある声を聞いたのだろう。

夕凪は僕に気付いたらしい。


「……あのコは別に、昨日会ったばっかりだし……好きとかそんなんじゃないよ。だいたいあのコ、かなり強がりなんだよ?」


「…………フン。どうせ強がりですよーだ。」

「………………………………………え?」

そのとき僕は聞き覚えのある声が後ろから聞こえ、何かいやーな予感を感じながら振り向くと、そこには昨日屋上で会ったときとは正反対の、拗ねた顔をした夕凪が立っていた。


「ほっほっほ。あのコが夕凪ちゃんかい。今の話、聞かれたかのう、ボウズ。」


「…………知らない。」


……聞かれたようだ……と僕は思い。、しまった……と思った。


「え?……えーーー?」


夕凪はそっぽを向き歩いていった。


「ちょ、ちょっと待ってよ夕凪。」

「ついてこないで。」

夕凪はそう言って歩いていった。

でも走りはしなかった。

……昨日屋上で走ってたんだし……本気で怒ったなら普通走るよな…………

まさかこれ……着いてこいってこと……?

……いや…………………違うか……

やっぱりマジで怒ってる?あれは……