「僕は風杜遥。僕のことはハルカでいいよ。」 「クスクス。遥だって。なんか女の子みたいな名前だね。」 「ちぇ、よく言われるよ。どーしてこんな名前なんだろ?」 確かに僕が小さいころ、ハルちゃんって呼ばれてからかわれた時期があった。 「自分の名前……キライ?」 今となっては気にならないが、小さいころは確かに自分の名前がキライだった。 「そんなことはないんだけど……」 僕はふいに夕凪に虚を突かれ、つい答えがあいまいになってしまった。