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「…な…なにこれ…?」

白雪理月。
ごく普通の女子高生。

そう声を発したのは先日
95歳で亡くなった祖母の遺品を整理していた時の事だ。

理月はお婆ちゃん子だった。
祖母は何かと言うとよく”魔法”と言う言葉を口に出していた。
それは理月が幼い、まだ五歳の頃、無くし物をすると、
必ずどこからか無くし物を見つけては

「魔法だよ」
と笑っていっていた。

そして今、遺品の中にあった一冊の本。
題名が『魔法少女入門書』となっているのだ。

表紙の下記には筆跡年…
書かれた年のことだろうか…

「ばぁちゃん…こんな趣味あったんだ…」

理月は思わず口に出してしまった。

下記に目をやる。
そこには『筆跡年 1460年』となっている。
「せっ1460年ンンン!?」

理月は目を見張り大声を出した。
その声に兄が声を上げる。

「うっせぇよ!!ナニ大声出してんだ!!」

どうやら一階のようだ。

兄の声に理月は声を抑えた。


*