1、膨れ上がる by 陸斗


学校に行くのが楽しい!毎日が楽しい!



理由?理由は簡単!
隣に花咲さんがいるから!!



「顔がニヤけてるぞ。」



「えっ?」



どうやら俺は、無意識にニヤけてたらしい……。智紀みたいになっちまう!



「花咲のことを考えてたのが丸わかりだ。」



「うっ!」



恥ずかしすぎる…!考えてたことがバレバレだなんて……。



「やべ~!!あの美人な顔にキスしてみ……」



智紀が言いかけた瞬間、星夜が智紀の腹にパンチを入れた。



「ナ~イス。」



「ク、クロちゃーん!大丈夫~?!」



倒れ込む智紀を、薫が心配している。



「今日も元気だね~。」



相変わらずにこにこしている優が、他人事のように言う。



「バカはほっとけ。」



俺と優は星夜についていった。智紀は腹をさすりながらも、学校に向かった。



「おっはよーー!」



教室に着くと、青葉が教室中に響き渡るほどの声で言った。



「うるさいな、音量調節しろ。」



「むっかつく~!!」



また喧嘩し始めてると、花咲さんが俺たちに礼をした。



俺たちは固まりながらもおじぎをする。



か……かわいい~~! なんだよあの笑顔!かわいすぎるっ!!



…なーんて、口が裂けても言えねーけど……。



「今日は遅刻しなかったね~。」



「いや、毎日毎日遅刻してらんないから…。」



苦笑いしながら答えると、担任が来て席に着いた。



隣に花咲さんがいるせいか、自然に姿勢が良くなる。