学園(姫)

では、祖父の線はどうだろうか?

一番濃厚である線はここである。

孫には優しい祖父という物はよくある話だ。

しかし、それは龍先輩の祖父が生きている事が前提の話である。

まずは、そこの情報から得る事が先だろう。

「よし」

俺は学校まで走り始める。

途中、ものすごく厳ついおじさんと肩にぶつかった。

サングラスに黒の革ジャンにランニング、革のズボンといういでたちだ。

年齢は六十といったところだろうか。

「すいません」

俺は大きく頭を下げる。

「おう、お前、何さらしとんじゃ、おら?」

傍にいた黒服の取り巻きに襟首をもたれる。

「お前が何さらしとるんじゃ、このドアホウが!」

厳ついおじさんが取り巻きにアッパーカットを決める。

取り巻きは空高く舞い、地面へと落ちる。

厳ついおじさんのパンチを食らったら、気絶どころじゃ済みそうもない。

「精進が足りん」

厳ついおじさんはサングラスを取る。

視線も厳つく恐ろしい。

何人か殺しているかのような目つきである。

「坊主」

どこかに連れて行かれ、殺されるのではないかという恐怖が襲いかかる。

「は、はい!」

俺は自然と背筋を伸ばしていた。

「前見て歩かんと、事故死する事もある。気いつけろ」

事故死に見せかけて殺されるという宣告でもしているのだろうか。

厳ついおじさんは部下を引きずりながらも、学校方面へと歩いていった。