テスト期間中は、勉強のために家に帰る。

先輩も速攻で家に帰ってるらしく、あまり見かけなかった。

そして、テスト期間も終了する。

テスト休みの後に夏休みとなるわけだ。

しかし、夏休みになれば、先輩との連絡がとれにくくなる。

だから、テストが終わった今日しかない。

「くそ、先輩は、どこに行ったんだ?」

校門付近で待っていたが現れる事はない。

別の場所から出てしまったのか?

あてが多すぎるために、見つける事も難しい。

「先輩」

どうしても、見つけたい。

そう思っているとリンゴを齧りながら歩いてくる吟ネエがいた。

「吟ネエ!」

俺は吟ネエの傍に近寄る。

「龍先輩が、どこにいるか知らないか?」

「お前は龍マニアとしては、まだまだアルな」

吟ネエの言葉からして、龍先輩の居場所を知っている。

「知ってるのなら、教えてくれ」

「んー、アチシとの行為を一回」

ここは渋っている場合か。

「やらない」

吟ネエが好きならば、やる。

でも、俺は龍先輩が好きなんだ。

「龍を見つけて、どうするつもりアル?」

「話をする」

「今話す事は何もないアル」

龍先輩の内なる気持ちは揺るぎない物である。

「諦めたアルか?」

「吟ネエの言うとおりと思う。でも、俺は往生際が悪いんでね」

でも、俺はいくらでも訴えかけ、届くまでごり押しする。