先輩に惚れた日






「佐藤先輩さ..」




佐藤先輩の背中を
見送った後、伊吹と階段を上る




「多分彼女いるんじゃないかなッて」





にこッと笑いながら
話す伊吹が強がっている横顔に
少しだけ何か悲しくなる




「先輩だから届かない恋なんて
 思いたくないし、今すッごい
 佐藤先輩を見れるだけで楽しいし」




剥がれかけのポスター
もう日程過ぎたサッカーの試合のやつが
ひらりひらりと風に揺れてる





そんな風を受け止めながら
伊吹はこッちを向いた




「だから頑張るから応援して!!」




「...あッたりまえ!!」



「何か照れるー」



「言い出したの伊吹じゃん!!」




とか言い合いながら
久しぶりに笑いすぎなくらい笑った