先輩に惚れた日






武道場の入り口で
私と佳織はのろくたと止まる




「まあ頑張るか..」



佳織の疲れきった声を
横で聞きながら靴をぬぐ



靴箱にがたんッて
置いて階段を上る




「もう美香先輩いるかね?」


リュックを背負う背中を
揺らしながら佳織に言う



「まだいないら、多分..」


「ならいーけど」



武道場の入り口で
私と佳織は




「お願いします」



と礼をして
武道場に足を踏み入れた