「何が悪ぃんだよっ!! お前もか? お前もなのか? あぁ゛?」
「止まれっ!! 動くんじゃないっ!!」
「麻薬の何が悪ぃんだよっ!!! ムカつくっ!!」
「おいっ! 来客者はただちに外に出なさいっ!!」
「ウゼぇ! 触ってんじゃねえ!!」
「止まれっ!!」


ガチャ

「どうした?! っておい! 立花っ!!」


バシッ

「ぅ゛っ!!」

棒で叩かれ、床に倒れこんだ彼。
その上に警察が跨り、彼の手に、再び“手錠”を掛けたんだ。

ただ、怖かった。
思考回路が着いて行かなくて、目の前で、数人の警察に取り押さえられる彼を―――…

彼を、見てる事しか出来なかった…。


その後アタシは、スグに女の警察の人に、誘導され部屋を出た。

苦しかった。
虚しかった。

彼を分かってあげよう。
そう決めたのに、何も出来なかった自分が……ただ、虚しかった。

「すみませんが、次からの面会はお引き取り下さい」
「……は…ぃ」