コン…


「……おい、入んぞ?」

「……うぅ゛っ」

ドアを挟んで聞こえる南城日向の声。


いつもと変わらぬ声なのに、アタシにはこれがとても優しく思え、心の中に染み込んで行く。


―――ガチャ

「……何があった? 様子変だぞ…」


分かってくれてるの?


っでも。

南城日向にこんなアタシの気持ち、分かんない。


背中越しに、南城日向が近寄ってくるのを感じる。


「……無理にとは言わねえ。

吐いた方が楽になんぞ?」


吐いた方が、楽…。
こんな辛い気持、楽になれる?


でも、そんなのっ……


フワっ


へ? え?!

「……俺が聞くっつってんだ」

ここまで、俺様な日向。