アタシがちゃんと泣きやんだ頃に、日向は起きた。

寝ぼけてたのか、アタシの頬に手を当てて、「…はよ」と言い、優しい笑みを漏らした。


……完全なる不意打ち。

顔が一気に熱くなる。


そんなアタシに気づいたのか、日向がアタシの額に手を当てて来た。


「だだ、大丈夫っ!」

額から伝わってくる体温が思った以上に熱くて…。

アタシは照れ隠しで、日向から目を逸らした。


「?」

多分、可笑しいと思ってる。


「……起きるぞ」

日向はそう言い、アタシの体に回してる腕を放した。


一瞬で体温が冷めた様な気がした。

布団に残る、まだ温かい温もり。


でも、本人が居ない。


………物足りないよ。