花咲く所に恋来たる☆






広いグランドの丁度真ん中に、黒いテカッテカの長いリムジンが止まってて。

……昨日と同じ様な光景。


その車でアタシは昨日、強制連行されたんだよ。


「どした? 立ち止まって」

立ち止まってるアタシに振り向き、不思議そうな顔をアタシに向けてる魁人。


……まあ、お家で1人よりも、みんなでいた方が楽しいもんね。

「ううん! 何でもない!」


魁人の元に駆け寄り、黒いリムジンに乗り込んだ。

リムジンの中はやっぱり、甘い香水の匂いでいっぱいで。


その匂いが、変な緊張を溶かしてくれた。

倉庫に着くまで、黙って見慣れない、流れる景色を楽しんでいた。

おととい、ここに引っ越して来たばかりだから……。



それも、結構遠い場所から。

まあ、大きいビルがあちらこちらに建ってるこことは違い、アタシが前いた場所は、そこら中田んぼだらけの、ド田舎だった。


だから、ここの景色は見てるだけでも楽しい。