こんな所にいるのは嫌だった。
でも家を出たりしても、頼る人なんていない。
ファイリが得意とするものは魔法だけだった。
しかし、魔法だけで生活していく事はできない。
例えば、魔法で料理を作る事はできても、材料がなければ意味がない。
ろくに食べて行くことも出来ないのだ。
「そういえ、ばっ」
ファイリは唯一の暇つぶし、読書を始めた。
ぱらぱらと歴史の本を捲る。
「あった…!」
遠い遠い昔、今ファイリの住んでいる世界は、今は無いと言われるもう一つの世界と一つになっていた。
だが、そこで悪魔が暴れはじめた。
誰にも止められなかったが、世界で一番魔力を持つ『蒼の皇女』と『紅の皇女』が自分の命を投げうって世界を救った。
だが、世界は二つに分かれてしまったのだという。
ただのお伽噺。こんな事があった訳がない。
今までのファイリはそう思っていた。
「今なら信じてみてもいいかもー…なんてっ、あたし何言ってるんだろ…でもなぁ、本当に行けたらなぁー…もう一個の世界」
口に出してみるとその響きはやっぱりお伽噺の物でしかなくて、ファイリの口から久々に笑みが零れる。
でも家を出たりしても、頼る人なんていない。
ファイリが得意とするものは魔法だけだった。
しかし、魔法だけで生活していく事はできない。
例えば、魔法で料理を作る事はできても、材料がなければ意味がない。
ろくに食べて行くことも出来ないのだ。
「そういえ、ばっ」
ファイリは唯一の暇つぶし、読書を始めた。
ぱらぱらと歴史の本を捲る。
「あった…!」
遠い遠い昔、今ファイリの住んでいる世界は、今は無いと言われるもう一つの世界と一つになっていた。
だが、そこで悪魔が暴れはじめた。
誰にも止められなかったが、世界で一番魔力を持つ『蒼の皇女』と『紅の皇女』が自分の命を投げうって世界を救った。
だが、世界は二つに分かれてしまったのだという。
ただのお伽噺。こんな事があった訳がない。
今までのファイリはそう思っていた。
「今なら信じてみてもいいかもー…なんてっ、あたし何言ってるんだろ…でもなぁ、本当に行けたらなぁー…もう一個の世界」
口に出してみるとその響きはやっぱりお伽噺の物でしかなくて、ファイリの口から久々に笑みが零れる。