~ラルスside~

久しぶりに人間を見た。
なんとも言えないような感覚だった。


あの人間は確かに『ロイ』と名乗ったが、 ロイであって、ロイではない。


私が全てを捧げたあの、『ロイ』ではないのだ…。



もう二度とあいつは来ないだろう。むしろ来ないで欲しい。

いくら顔が全然違くたって名前が一緒なのだから……

偶然なのか必然なのか。



目を閉じれば、いつも浮かんでくる。


――――――ロイ