ふと教室を見ると
水川と視線が重なった
さっきのことを思い出して
また顔が熱くなる
「愛しのダーリンが見てるよ。」
樋口が水川を指差し笑う
「そ、そんなことない。」
「照れちゃってぇ。」
「バカ。」
私が樋口を叩いて怒ってると
「樋口、
人のこと指差して笑うなんて失礼だぞ。」
「おっナイトの登場だ。」
「うるせぇ。
捺と何話してたんだよ。」
ふいに私の名前を呼ばれて驚いた
ちゃんと呼んでくれてるんだ
「ヤキモチかぁ。
捺と俺との2人だけの秘密。」
樋口がからかう様に私のことを名前で呼んだ
「ちょっ、お前が捺って呼ぶなよ。」
「ごめん、ごめん。
つい癖で。」
「もう行こっ。」
水川は私の手をとり
歩き出した
「冗談だって。
2人ともお幸せにな。」
後ろから
樋口の声が聞こえる


