君がいたからがんばれた


「ごめん、碧くん。後で離す」


碧くんの横を通って部屋を出ようとした。


『待って!隣の家でも危ないよ』


「大丈夫だよー」


『電話か、明日話なさい』

碧くんって、こういう時にお父さんよりうるさい。

一度言ったら、聞いてくれないし。



「分かった」


『よしっ、良い子だな』


碧くんに抱きしめられた。匂いなのか、広さなのか…安心する。


「何か、碧くんって安心する」


『そぉ?』


「お父さんみたいで」