+ + +




あり得ない…



何度も

何度も


頭で繰り返した




それでも


目の前を
通りすぎていく男から


目を離すことは


出来なかった



「い…今のは?」


渇ききった喉から掠れた声が出た



「少し前に
隣に引っ越してきた

早川君です。

先輩と同じ大学に通ってます。」



紗季ちゃんは
動揺する事もなく

淡々と俺に説明を続けた




でも

あまりの衝撃に
俺にはそんな話に耳を傾ける余裕なんてなかった