「…プリン…。」



箱の中には
生クリームがちょこんと乗った
プリンが四つ


「まえに
芳史が…プリン好きだった言ってたから。」



「うん…すごく好き。」


そう言って
さっそく
一個手に取る


「カラメルは中に入ってるから。」


はい。
とスプーンを渡すと

彼は
無言で食べ始めた





どんどん彼の口に吸いこまれてく
黄色いプルプルしたプリン



そして


あっという間に
姿を消した



「…あの…。」


呆然とする私の声に
芳史はハッとしてこちらを見た


「あ、ごめん。
我慢できなくて…夢中で食べちゃった。」


その
何とも言えない
表情に
思わず顔がゆるんだ