囁くように
名前を呼び掛けると


彼女の肩が大きく揺れて



ゆっくり

俺を見た



「先…輩…。」



涙で濡れた瞳


大きく見開かれたそこに

俺のガキみたいに泣きそうな顔が
写ってるのを見て
少し安心したんだ


だって


まだ


彼女の心に
俺が写っている気がしたから…