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大学3年の秋



大学図書館のバイトをしていた私の前に


あの人は現れた



グルグル巻きのマフラー
細身のピーコートに
色褪せたデニム


無表情だけど
整った顔

カッコいい…





「星座の本はどこ?」




「あ!
はい。階段上がって…」


説明しようとした私の話を遮って


「案内…してくれない?」


小首をかしげて
まっすぐに私をとらえる
澄んだ瞳


胸が高鳴った