Cygnus

+ + +



「なぁ、芳史。」


「なに?」


分厚い神話の本から
顔を向けることなく

声だけが返ってきた



アイツが読んでる本はもちろん
図書館から借りたもの


「図書館の彼女とはどうなの?」


「…。」



珍しい…

芳史が黙るなんて


「俺も
会いに行っちゃおうかな?

新井…紗季ちゃん…だっけ?」


わざとらしく
アクセントをつけて言うと


芳史は
顔を上げた



そして

俺に鋭い視線を送る