愛はカフェで耳にした出来事を、ことこまなく伝えた。当然、真紀は信じることはできなかった。

愛にとっては真紀の為を思っての行動だったが、真紀は気分が悪かった。彼が私を利用してお金をかすめ取るなんて・・・

「あの彼がそんな事をするはずがない!自分の耳で直に聞かないと信用できない」

「私がくっつけといて言える立場じゃないけれど、あの人はやめといた方が良い!」

「私だってやっと掴んだ幸せなんだよ!もうあんな辛い思いはしたくない。」

愛もその気持ちが痛い程よく分かっていた。けれどこのままじゃ真紀はもっと辛い思いをする事になると思ったから、勇気を振り絞って一言いった。

「真紀はやっぱり彼の事を好きなんじゃない。彼を一樹の代わりにしか思っていない。

そんなんだからこうなるんだよ!」

愛は真紀の反応を聞かずすぐに電話を切った。

真紀は愛の言葉で疑心感が芽生えたのか、彼にすぐに電話をした。

すると彼はいつもと変わりなく優しかった。やっぱり愛の言ったことは嘘なんだぁ~良かった♪ともうすっかり彼の事を信じてしまったのだ。

それからとはいうと、愛との仲がギクシャクしていた。所詮、女は友達・彼どっちを選ぶかって聞かれたら男って答えるに決まっている。

学校でも愛と顔を合わさずにはいられない状態だ。顔が合わせても何も話さず、むしろお互いに避けていた。