現実に戻った真紀は、少ししょんぼりしていた。そうすると、彼が「誰かを待っている様だけど、もしかして愛ちゃんを待っているの?」「えっっ!!!」真紀はびっくりした。

「どうして愛の事、知ってるんですか?」とすかさず聞き返した。

すると、彼が今までの事を打ち明けてくれた。初めて会った日、お店の前で会ったでしょ?あれ俺がバイトしているお店なんだぁ。

その日の夜から何度か愛ちゃんがお店に来てくれる様になって仲良くなったんだ。それで、今日遊ぶ約束をしていたんだ。愛ちゃんから今日のお昼時に駅前に来てってて言われて。待ち合わせの場所に、君もいるからもしかしたら君も愛ちゃんの事を待っているんじゃないかって思ったんだ」

真紀は、これは愛が仕組んだものだと直感した。結局この後、真紀達は2人で遊ぶ事になった。男の人と2人で遊ぶという事が、一樹が亡くなってから1回もなかったから新鮮だった。真紀自身も、一樹が亡くなって2年も経つし新しく人生やりなそうと思っていたから、悪い気はしなかった。

本当に、彼は一樹と見た目・声何もかもが似ている。この日、遊んだ場所・ご飯食べた場所は全て一樹との思い出が詰まっている場所だった。しかも、この彼と一緒にいていると昔の事が鮮明に頭に浮かんできた。初めて話をした様な感じはしなかった。どこか懐かしい気持ちがした。次第に真紀は、彼に好意を抱く様になっていたのだ。