『嘘って言ってよ・・・ねぇ、一樹!!この前、将来プロポーズしに行くって言ってくれたよね~あれは嘘なの?私、あの時超嬉しかったんだよ。私を一人にしてどこにいっちゃたの?早く帰ってきてょ・・・・』

と泣き叫ぶ真紀を周りは見守る事しかできなかった。

しばらく真紀と一樹を二人っきりにしてあげようと友達の計らいで、真紀は一樹とずっと話をしていた。もちろん、一樹と呼びかけてもいつもの様に笑って振り向いてくれない。

『一樹、私この先どうすれば良いの?わたし、一樹がいなかったら生きていけない』この時の真紀は『私も一樹の後を追う』と思っていた。

天国か地獄かは分からないが、それでも一樹と一緒にいられるのなら私の命なんてどうでも良いとまで思った。

真紀は、自分を見失っていた。まあ無理もないだろう。

一樹のお通夜の日が来た。そこで、一樹の遺品を見せてもらった。一樹の母が机の中から見つけたという便箋を取り出した。そこには、なんと一樹が真紀の誕生日前に書いたと思われる<プロポーズ>の下書きだった。

何度も書いては消しての跡があり、あの時もいっぱい考えて言ってくれたのだと実感した。

と同時に、一樹が生きられなかった分も合わせて私が生きていかないと、っと思う真紀であった。