1人で放心状態になっていると、拓也が突然目の前に来た。
「おい!麻妃?まじで大丈夫か??」
うわぁ!!びっくりしたぁー・・・。
「にゃっ!何??びっくりした・・・。」
ちょ、あたし拓也の前でボーっとしてた!しかも、なんか、近くない??
「あ、あの、その・・・えっと、色々心配かけてごめんねっ!!」
なんとなく気まずくなり、あたしは教室へ戻ろうとした。
「もう、大丈夫だから!」
そう言い残しドアに手を掛けようとした。が、
いつの間にかあたしのすぐ後ろに拓也が立っていて、ドアを開けようとする手を
拓也の手が制御していた。
なんとなく気まずくて、振りかえることができない。
それを察知したのか、拓也が口を開いた。
「あのさ、この前話したいことあるって言ったよな?」
あ・・・そう言えばあの時、拓也話があるって言ってたよね・・・けど、あたしは
蒼井翔太から眼鏡を取り返そうとしてて・・・あれから、話聞けないままだったんだ
・・・。
「うん・・・。な、何?」
顔を合わせられなくて下を向いていると、
「麻妃。こっち向いて?」
耳元で囁く拓也に、頬が赤くなっているのが自分でも分かった。
そして、拓也が無理やり自分の方に体を向けさせた。
「は、話って何?」
噛みながら言うと、
「俺さ、お前と別れた後もずっとお前の事気になってた・・・。俺から別れようって
言っといて自分勝手なのは分かってる。でも、まだ好きなんだ!」
え?拓也が・・・あたしを?でも、なんで今更・・・。どうすればいいの?
「ちょ、ちょっと待って、拓也から振ったんだよ?なのに今更まだ好きって言われても
・・・。」
「アイツの事好きなのか?」
え・・・?アイツって・・・
「翔太だよ。お前、翔太の事好きなのか?」