店内に入ると待ちかねたようにやってきた暁の後輩の彼女さんが、あたしに似合う服と靴をコーディネイトしてれた。

「杏ちゃんって色が白くて細くて、髪もつやつやで素敵ねぇ。うふふっ腕が鳴るわぁ。」

嬉しそうにあれこれと試着を勧められるとおりに袖を通してはその度に暁を呼んで二人で話している。

二人は恋人でもなんでも無いけれど、端から見たら年齢的にもすごくつり合って見えて、あたしなんかよりずっと彼女らしくて…なんだか少し寂しさを覚えてしまった。

あたしみたいな子供には敷居が高いブランドだったけれど、彼女の見立ては確かで、最後に手渡されたシンプルな黒のワンピースを着て鏡に映るあたしはいつもよりずっと大人っぽくて暁の隣りにいても違和感が無いように見える。

暁は試着室から出てきたあたしに驚いたようだったけれど、とても似合うと言って満足げに微笑んでくれたのがとても嬉しかった。