【中編】夢幻華


~~~♪



はああ~~っ。右京父さんだよ。しつこい…。

「もしもし、パパ?」

『杏かっ?今どこだ?暁になんかされてないか?』

…声でかっ!杏も思わず携帯を耳から離してしかめっ面をしている。

「パパ。なんかって何よ?暁があたしの嫌がることするわけ無いでしょう?ねえ、暁。」

…キスすること考えていたなんて口が裂けてもいえない。

杏の膝の上に置かれた携帯からは右京父さんの興奮した怒鳴り声が一方的に聞こえてくる。
興奮しすぎて日本語になってねぇし。

娘を取られた父親ってこんなに取り乱すもんなのか?

今は何を言ってもダメだと判断した俺たちは、勝手に怒鳴っている携帯をクスクス笑いながら見つめていた。

右京父さんは5分もわめいていただろうか、ようやく俺たちが聞いてないと気づいたらしい。

『おいっ!!聞いているのか?二人とも!!』

そのセリフを聞いて杏は一気に噴出した。