【中編】夢幻華

10月1日土曜日。

誕生日前日の午後、俺は右京父さんに明日の予定を話すことになっていた。

右京父さんの杏の溺愛ぶりはすごいもので、ちょっと長距離で何処かへ行くと言おうものならもう大変だ。

どこへ行くとか、誰と行くとか、根掘り葉掘り聞いてくる。いつ俺も一緒に行くって言い出すかわからない雰囲気だ。

干渉しすぎだっつーの。杏に嫌われるぜ?

…やっぱり右京父さん杏を嫁に出せないタイプだな。

うちの父さんと右京父さんは似てると思ってたけど、こんな所までそっくりなんだなあ

「…右京父さんさあ、杏も16才なんだよね。
もう結婚できる年だ。そんなに干渉してたら杏に嫌がられるぞ。
そんなんで嫁になんて出せる?」

「なっ?暁、何だよいきなりその質問は。」

「いや、今朝父さんが朱音と遊んでるの見て、あんまり溺愛してるから嫁に出せるかって聞いたんだ。父さんはムリだって言ってた。たぶん右京父さんも無理だろ?」

「ううっ…そりゃ、まだ16才だし今すぐじゃないだろ?嫁に行く頃までには気持ちの整理はしておくさ。」

「もう16才になるんだよ。いつでも結婚できるだろ?」

「まだ、16才だ。そんなにすぐに行くわけじゃないだろ?」


…ははっ、すげ~ムキになって焦ってる。

おもしれ~~。