夕食は山崎オーナー夫妻と、龍也さんと聖良さんを交えてとても楽しいものだった。

料理もとても美味しくて、会話もとても弾んで、あたし達は楽しい時間を過ごした。

聖良さんは細やかな心遣いの出来る女性でとても優しい人だった。

あたし達はすぐに仲良くなって、食事が終わる頃にはあたしはすっかり聖良さんに心を許していた。

聖良さんがオーナー夫人の信子さんに今日の料理のレシピを教えて貰っているのを見て『聖良はここへ来ると必ず信子さんに料理を教わっているな』といって龍也さんがとても愛しげに笑った。

龍也さんが言うには聖良さんは料理がすごく上手いらしい。

聖良さんが『龍也さんに美味しいものを食べさせてあげたいから。』と頬を染める姿がなんとも初々しくて、同性のあたしでさえ本当に愛らしいと惹かれてしまう。

龍也さんが聖良さんに溺死寸前だと暁が耳元でボソッと囁いた時には思わず納得して噴き出しそうになってしまったくらいだった。
心底惚れて溺れてるってこう言う事を言うのかもしれない。

二人を見ていると互いをとても必要としているのを感じる。

まるで魂が一対になっているように感じるからとても不思議だった。

あたしと暁もあんな風に互いが傍にいることで一対になる様な恋人同士になりたいと思った。