「好きになるはずなかったのに」



「それにしてもさ、露、私達が戻ってきたら見事に寝腐ってたから本当恥ずかしかったんだよ!?円谷さんあっけにとられてたもん!」


他の客に焼きたてのワッフルをふるまってから戻ってきた、現(うつつ)の冬実の声によって猛スピードで引き戻され、はいはいすいませんねと、ハーブティーを幸せにすすった。


「折角飲み会も誘ってくれたのに、すぱっと断るしさ」
冬実は、隣でほうづえをつきながらブーブーした。

「あれでよかったくせにさ~。結局冬実は、一緒に行ったんだし文句ないでしょうよ」
細い目で冬実を見たが、尖った口は変わらなかった。


「だってさぁ……彼女本当にひとりで大丈夫だったかな、とか本当に本当に彼ったら心配性で……まあ、それもいいところなんだけどね!」
曇っていたはずの顔がみるみるメロっとして七変化……と聞こえない位に吐いた。
 

「確かにいい男だったからね。冬実もおちるわな」
ポツリと言った一言に冬実は声を張った。