「……やっと付き合ったのかよ、兄貴ら」


くるりと座っていた回る椅子を回転させた。


「やっとで悪かったな」


春樹は、勉強のためにかけていた黒淵メガネを外し、はあーとため息を漏らす。


「星蘭さんと兄貴、どこの中学生だよって感じだよねー」


「なっ…報告しにきてやったのになんだよ」


勉強中の春樹の部屋へ、俺がわざわざ報告にきた。


いや、訂正する、"きてやった"だ。


俺はドア近くの壁にもたれかかった。


「じゃあ、例の"あれ"は治った感じ?」


治った…のか?


いや、それは俺に対してなだけであって。


これは――…。