そんな時だった。
ぐらっと乗り物が揺れた。
背筋に何かが冷ややかなものが通る。
「いやっ…」
怖い…っ!落ちる!
私は、体をぎゅっと縮めて、耳を両手で塞いだ。
―――――…
揺れがおさまった。
と同時に、私の横に温かい熱が触れた。
「…ごめんな…無理矢理乗せて…」
そして塞いだ耳の横から直樹の声が微かに聞こえてくる。
ぐらり揺れたのは、直樹が席を移動したせいみたい。
私は恐る恐る、耳から手を外し、顔を上げた。
観覧車に乗って初めて見た直樹の顔は。
なんだか切ない顔をしていた。
なんだろう。
胸がずきずき痛む。
怖い感覚より胸の痛みのほうが大きくて。
私がこんなのだから。
私がめんどくさい女だから。
直樹にこんな顔をさせてしまうんだ。
私。
どうしたらいいの?
どうしたら直樹に切ない顔を消せる?
ぐらっと乗り物が揺れた。
背筋に何かが冷ややかなものが通る。
「いやっ…」
怖い…っ!落ちる!
私は、体をぎゅっと縮めて、耳を両手で塞いだ。
―――――…
揺れがおさまった。
と同時に、私の横に温かい熱が触れた。
「…ごめんな…無理矢理乗せて…」
そして塞いだ耳の横から直樹の声が微かに聞こえてくる。
ぐらり揺れたのは、直樹が席を移動したせいみたい。
私は恐る恐る、耳から手を外し、顔を上げた。
観覧車に乗って初めて見た直樹の顔は。
なんだか切ない顔をしていた。
なんだろう。
胸がずきずき痛む。
怖い感覚より胸の痛みのほうが大きくて。
私がこんなのだから。
私がめんどくさい女だから。
直樹にこんな顔をさせてしまうんだ。
私。
どうしたらいいの?
どうしたら直樹に切ない顔を消せる?

