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― 直樹 side ―


「おい、お前。黙ってねーで何か喋れ」


人目のつきにくい場所まで連れてきた。


春樹を壁の前に立たせ、俺はイライラしながら春樹に話しかける。


だが。


何か喋れと言っても、なかなか口を開かない。


どうしたものか。


「はあ―…」


ため息が出てしまうほど、呆れてしまった俺。


春樹のやつ。


ずっと黙り続けてるせいで。


どこからどこまで勘づいたのかはわからない。


言い訳のしようがない。


「お前さ。何か思ってることあるんだったら、今この場で言えよ」


兄貴の前なんかで言われてみろ。


頭の回転が速いのは。


なんていったって、年上である兄貴なわけで。


俺ら4人の関係が、今よりも複雑になる。


それに。


付き合ってないことがバレた瞬間。


星蘭はもっと危険だ。