Kiss★恐怖症

兄貴は椅子から、飛び降りるように立ち上がり。


「っというわけで!!星蘭ちゃんによろしくーっ」


「はあ!?おい、あに」パタン


俺の言葉を聞かず、部屋から出ていった。


春樹も兄貴も―…。


なんなんだよ、あいつら。


2人揃って、俺の彼女奪いか。


「星蘭は誰がいいんだろう…」


星蘭が誰を選ぼうと俺は―――。


いやいやいや。


そんなことはさせない。


春樹と兄貴なんかに渡してたまるかっつーんだよ。


何を仕掛けてこようと。


星蘭を守る。


そして。


早くキス恐怖症を治して。


フリを本当にしてやる。


そう決意した時だった。


ドアに視線を向けると。


ドアが少しずつ開いていく。