Kiss★恐怖症

「まあ何でもいいけどさっ」


またくるくると回る。


「あ、そうだ。目的はこれじゃないんだったっ!」


「…は?」


目的はそれじゃない…?


どういう意味なんだ?


それはすぐに答えがわかった。


「えっとねー。直ちゃんに宣戦布告しに来ようと思ってたんだっ」


にこりと笑う。


可愛いね…なんて俺が思うわけない。


その笑顔が兄貴の一番の武器だ。


俺の顔が歪む。


「そんな顔しないでよーっ」


「はあ?兄貴のせいだろーが」


「あはは、そうだねっ」


こんな状況で笑いながら話す兄貴は相当腹黒い。


そんな兄貴を睨む。


でも怯まない。


「星蘭ちゃん。気に入っちゃったんだよねっ。美人だし」


理想の女の子って感じだもん、とにこにこしながら話す兄貴。


に対し、怒りを抱く俺がいた。